肩がこる、気持ちが落ち込む、集中できない…。これらすべてが疲労にあたります。

疲労には、大きくわけて3つの種類があります。
肉体的疲労、精神的疲労、神経的疲労です。体を動かすことによって起こる疲れやだるさが肉体的疲労。同じ姿勢をずっと続けたことによる疲労も肉体的疲労にあたります。精神的疲労は、ストレスが要因となって起こるもの。神経的疲労は、パソコン作業などで視神経を酷使したり、脳の緊張によって起こる疲労です。

疲労によって起こる、さまざまな症状

  • 仕事に集中できない
  • 思考力が低下している
  • 気持ちが落ち込む
  • よく眠れない
  • 朝、疲れが残っている
  • 体がだるい
  • すぐ座りたくなる
  • 頭痛がする

など、様々な症状が起こります。

現代人を取り巻く環境は、特に精神的疲労と神経的疲労が起こりやすい傾向にあります。

インターネットの普及で、生活にパソコンやスマートフォンなどが欠かせなくなりました。しかし、すぐに欲しい情報が手に入るという環境は、脳にとっては負担。必要以上の過剰な情報をインプットすることになると、素早くたくさんの情報を処理する必要があるからです。
これが神経的疲労につながります。そして、生身の人間同士が行うコミュニケーションが不足気味といわれる昨今、人付き合いをストレスと感じる人も増え、精神的疲労を感じやすい傾向に。

また、運動不足も疲れが取れない原因のひとつ。
運動をしないと筋肉量が低下し、筋肉内でエネルギーを生み出すミトコンドリアの量が減り、質が低下することで、代謝が悪くなります。エネルギーがきちんと作られないと「電池切れ」のような状態になる上、活性酸素が発生しやすくなります。
その結果、体が疲れやすくなり、動くのが億劫に。すると、さらに筋肉の力が弱くなり、疲れやすい体になってしまうという悪循環に陥ります。

下半身の筋力が弱く、たるみが気になるという人は、運動不足からくる疲れが原因です。こういったタイプの人は、摂取した栄養をエネルギーに変えたり、使ったりするのが弱いとも考えられます。また、このタイプは下半身の筋力が弱いことが原因で、水分代謝が悪くむくみやすいという特徴があります。
むくみがあると、さらに体がおもだるく感じます。

疲れを回復させる方法として、まず取り入れたいのが睡眠の質の改善です。肉体疲労はもちろんですが、特に、精神的疲労や神経的疲労を回復させるには、積極的に睡眠環境を整えるのがカギとなります。

寝室の環境を整えたり、寝る前に準備することなど、睡眠の質を上げるコツをご紹介します。

十分な睡眠時間を摂る

人によって必要な睡眠時間は異なりますが、毎日7時間は確保したいもの。朝、起きなければならない時間から逆算して、ベッドに入る時間を決めましょう。テレビやスマホをダラダラ見る時間などを削減すれば、30分〜1時間は睡眠時間を長く確保できるはずです。

パソコンやスマホは寝る1時間前にストップ

脳を刺激して、覚醒を促すブルーライトを発するパソコンやスマートフォンは、寝る1時間前から使用をストップしましょう。ゆっくり本を読むなどして、脳を眠るモードに導きましょう。

寝室を暗くする

目の視神経はとても弱い光にも反応し、脳を活性化させ、眠りを浅くします。まぶたを閉じていても、携帯を充電している時に光る小さなライトやテレビの主電源の赤い光などにも反応。電気機器は寝室に持ち込まない、または主電源から切るなどで対応しましょう。

街灯の光が入る場合には、遮光カーテンをつけるなどして、寝室を真っ暗にするように環境を整えましょう。アイマスクをして、目元を覆うのもおすすめです。

ぬるめのお湯に浸かる

眠る1〜2時間前に、38〜40度のぬるめのお湯で半身浴をしましょう。ぬるめのお湯は、入眠をスムーズにする副交感神経を優位にします。
また、体は深部体温を下げることで、休息モードに入る仕組みです。お風呂で、体の深部体温を上げて発汗を促すことで、スムーズに体温が下がり寝つきがよくなります。

パジャマを着て寝る

眠る時、ジャージや適当な部屋着を着ていませんか? ゴムやファスナーの部分がかたかったり、通気性が悪い生地のものを着て眠ると、皮膚の神経を刺激してストレスを感じ、寝苦しく睡眠の質が悪くなります。体を冷やすくことなく、通気性も確保しているのがパジャマ。眠りの質を上げるため、着心地のよいパジャマでやすみましょう。